■ ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(通称ゼッチ)の普及
骨子案のなかで、10年先、20年先を見据えた目指すべき住まいの姿として掲げられているのが、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」です。ZEHとは、エネルギー利用の方法を工夫することで、一次エネルギーの年間消費量がゼロまたはおおむねゼロになる住宅を指します。エネルギー利用の工夫の具体的な方法としては、高断熱や高効率照明などによる省エネルギー性能の向上のほか、太陽光発電システムや太陽熱利用といった再生可能エネルギーの導入などがあげられます。
ZEHの普及により、家庭部門におけるエネルギー需給構造を抜本的に改善することが期待されます。
■ 2020年までに省エネ基準義務化へ
国土交通省・経済産業省・環境省が合同で設置する「低炭素社会に向けた住まいと住まい方推進会議」は、2020年までに全ての新築住宅・建築物を対象に省エネルギー基準への適合を義務付ける方針を打ち出しています。2010年11月12日に開かれた第2回会議の中で「とりまとめ骨子(案)」が公表され、義務化の実現に向けた詳細が明らかになりました。これにより、住宅業界における省エネルギー住宅への対応が一層加速することが予想されます。
■ 何故、省エネ基準義務化なのか!?
経済産業省資源エネルギー庁の発表によりますと、我が国の家庭部門における最終エネルギー消費量は石油危機以降約2倍に増加し、全体の15%程を占めています。また、東日本大震災後の電力需給の逼迫やエネルギー価格の不安定化などを受け、家庭部門における省エネルギーの重要性が再認識されています。
加えて、2015年7月に策定された長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)では、省エネルギーについて、石油危機後並の効率改善(35%程度)を見通しとして示しており、その実現のためには、住宅そのものの省エネが不可欠となっています。
このような、省エネルギー基準への適合義務化に向けて急ピッチでの対応が必要な中、
約6割の事業者が「2020年までに新築住宅は義務化されるという概要は知っている」と回答したが、「詳しく知っている」と答えた事業者は約12%にとどまったというデータがあります。
(調査対象:中小工務店・大工業界4団体※の会員、回収数:2,794)
※全国建設労働組合総連合、(一社)全国中小建築工事業団体連合会、(一社)JBN、
(一社)日本木造優良住宅協会
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